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デトロイト生まれのワー・ワー・ワトソンは、地元の名門レーベルMotown Records(モータウン)のハウスバンド、Funk Brothers(ファンク・ブラザーズ)のメンバーになり、Temptations(テンプテーションズ)の“Papa Was a Rollin’ Stone(1972年)”等で印象的なプレーを残した。その後もMarvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)の“Let’s Get It On(1973年)”、Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ)の“Body Heat(1974年)”、Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)の“Secrets(1976年)”等で名演を残している。
ずっといぶし銀的存在だったワトソンが初めて前面に出て制作したのが、初のソロ作“Elementary”だ。この作品はつい最近まで聞いたことがなかったが、1曲目のワウワウ全開の“Goo Goo Wah Wah”だけでも、このアルバムは買う価値があると思った。
これまで有名人の作品にたくさん関わってきただけに、バックのメンバーも凄い。ギターにはハービー・ハンコックの作品でも共演したRay Parker Jr.(レイ・パーカー・ジュニア)やDavid T. Walker(デイヴィッド・T・ウォーカー)、ピアノでJoe Sample(ジョー・サンプル)、サックスにBennie Maupin(ベニー・モウピン)、ベースにはLouis Johnson(ルイス・ジョンソン)、Willie Weeks(ウィリー・ウィークス)、Wilton Felder(ウィルトン・フェルダー)、そしてファンク・ブラザーズの同僚James Jameson(ジェームス・ジェマーソン)と、曲によって4人も使い分け、とんでもなく豪華だ。
こんなに凄い人たちが作っているのに、何故かサウンドはブラックスプロイテーションやB級映画のサントラのように、チープ感が漂う。狙っていたのか、たまたまこうなったのかはわからないが、この手の音楽が好きな人には、きっとたまらないだろう。
Producer: ‘Wah Wah’ Watson, David Rubinson
1976年