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この時代、ジャズを凌駕する勢いを誇ったのがジェームス・ブラウンに代表されるブラック・パワーの影響を受けたファンク系のアーティストたち。この世代のアーティストの信条は「自主独立」であり、ジャズミュージシャンたちにも大きな影響を与えていた。
ジャズ界でもアーティストの自主性を尊重した集団が全米各地にできていた。そのひとつがデトロイトにあったStrata(ストラタ)という集団である。彼らは自主レーベルを設立し、ミュージシャン自らが経営に参画していた。
チャールズ・トリバーとスタンリー・カウエルは、このレーベルに影響を受け、デトロイトのはるか東、ニューヨークでStrata-East(ストラタ・イースト)を設立。第一弾としてミュージック・インクの作品を1971年にリリースする。
自主性を尊重するストラタ・イーストの所属アーティストには、プロデュースの権利も与えられた。また大手レーベルとは違い、経費や利益はアーティスト側に有利になるように配慮されたという。上質なビニールを使用するなどレコードの品質にもこだわり、プレス数は最小限に抑えられた。そのためレアグルーヴ・シーンで再評価された時には非常に高値が付くことになる。
いわゆるスピリチュアル・ジャズ系のアーティストが多く所属し、Pharoah Sanders(ファラオ・サンダース)、Gil Scott Heron & Brian Jackson(ギル・スコット・ヘロン&ブライアン・ジャクソン)、Mtume Umoja Ensemble(エムトゥーメ・ウモジャ・アンサンブル)、Cecil McBee(セシル・マクビー)等もいた。どの作品もアーティスト側の制作意図がダイレクトに出ており、現代でも通用するものばかりだ。