Ensemble Al-Salaam / THE SOJOURNER
極楽なのに刺激溢れる「サラーム」なスピリチュアルジャズ
The Sojourner,
Ensemble Al-Salaam, 1974
平安ではあるが、ひ弱ではなく、燃えたぎるようだが、暴力的ではないというEnsemble Al-Salaam(アンサンブル・アル・サラーム)の音楽。称して「サラーム・ミュージック」と呼ぶらしい。
Strata-East(ストラタ・イースト)らしいフリーでスピリチュアルな作品だが、他と違うのはイスラム教に強く影響を受けている点。しかし、イスラム音階を用いているわけではなく、ネーション・オブ・イスラム的な70年代特有の黒人解放とイスラム教が結びついた「自由」を強く意識した構成になっているようだ。
ジャズミュージシャンの本性を解き放った“Malika”や、ダンスフロアでも通用する“Circles”、上質なポップソングのような“Optimystical”、このアルバムのエンディングにふさわしい穏やかな曲“Peace”等、非常にバラエティに富んでいる。
女性ヴォーカリストBeatrice Parker(ベアトリス・パーカー)が女神のように君臨し、このアルバムに花を添えている。
Producer: Ensemble Al-Salaam
1974年