Mtume / REBIRTH CYCLE
電波系アフロ・スピリチュアル・ジャズ
Rebirth Cycle,
Mtume, 1974
エムトゥーメが天啓をビシバシ受けていた時代の作品。タイトルを和訳するなら「輪廻」、この場合なら「エジプト式輪廻」。エムトゥーメといえば80年代の“Jucy Fruits”がなんといっても有名だが、70年代には別人格のような名作をいくつか残していた。この時期は、アフロテイストを基本にしたスピリチュアル・ジャズの世界にどっぷり浸かっており、Mtume Umoja Ensemble(エムトゥーメ・ウモジャ・アンサンブル)名義でリリースした恐ろしいほどディープな作品もあるが、“Rebirth Cycle”では女性ヴォーカリストにDee Dee Bridgewater(ディー・ディー・ブリッジウォーター)とJean Carne(ジーン・カーン)を起用して、ディープながらも比較的マイルド感もある作品になっている。
圧巻はA面全てを使った“Sais”。二人の女性ヴォーカルの女神のような声とセネガルの詩人Muktar Mustaphaが絡み、極楽アフロなサイケデリック・ワールドを展開している。生涯の相棒でもあるReggie Lucas(レジー・ルーカス)のギターが天界と地上をつなぐ稲妻のようなフレーズを奏でる。
バックを務めるのはエムトゥーメが関係したStrata-East(ストラタ・イースト)系のミュージシャンと、マイルス・デイビス人脈の混成部隊。
Producer: Mtume
1974年