ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
バックの演奏ももちろん完璧。Bobby Byrd(ボビー・バード)との掛け合いや、Fred Wesley(フレッド・ウェズリー)率いるこの時期のJ.B’sに文句をつける人などいないはずだ。
ファンク・ミュージックの偉大な点は、神性と世俗を分けることなく自然に溶け込ませ、楽譜には記せないグルーヴという神のヴァイブレーションをそのDNAに宿したことだろう。そしてジェームス・ブラウンほど猥雑ともいえるエンターテイメント性と、神聖ともいえるほどのファンクの高みを両立したアーティストは、恐らくいない。西田幾多郎が残した言葉「世界は罪をもちながらに美である」を地で行くのがジェームス・ブラウンだ。彼こそがキング・オブ・キングであり、20世紀以降の音楽界のゼウスともいえる。
神のヴァイブレーションを体感するための注意点はひとつだけ。爆音で鳴らすことだ。
Producer: James Brown
1971年