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ソウル&ファンク大辞典

ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。

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James Brown / LIVE AT THE APOLLO

史上最高のライヴアルバムの呼び声高し!

ジェームス・ブラウン Live at the Apollo,
James Brown,
1963
デヴィッド・ボウイが生前、史上最高のライヴアルバムの中の一枚だと称賛したジェームス・ブラウンの『ライヴ・アット・ジ・アポロ』。“Try Me”と“Lost Someone”は、『ジギー・スターダスト』収録の“Rock’n Roll Suicide”のアイデアの元にもなったという。

1962年のジェームス・ブラウンは人気があったものの、後の王様のイメージにはまだ程遠かった。アルバムを出すことさえ特別なアーティストのものだった時代に、まだ珍しかったライヴアルバムを出すという彼の企画も、当初、キング・レコード社長のシド・ネイサンは、採算が取れないと判断し、リリースを拒否していた。それでもジェームス・ブラウンは地腹を切って、ブラック・ミュージックの聖地、アポロ劇場におけるライヴレコーディングを敢行。結局、会社側が折れてリリースが決定する。

しかし会社の売上予測とは裏腹に、このアルバムは大成功を収める。結果、ジェームス・ブラウンにとってこの作品は、大スターとしての地位を固めるきっかけになった。

収録曲は初期のベスト盤ともいえる内容。この時点ではまだファンクの帝王というよりも、Bobby Byrd(ボビー・バード)を中心とするFamous Flames(フェイマス・フレイムス)をバックに、R&Bシンガーとしての側面が強く出ている。ちなみにこのアルバムのオリジナル・ジャケットには、当時すでに名の知れていたフェイマス・フレイムスに関するクレジットが全くない。おそらく想像するに、ジェームス・ブラウンが自費で制作したことを理由に、JBの強い虚栄心と新たなスーパースターを求めるレコード会社の思惑が一致し、James Brown & the Famous Flamesではなく、故意にグループ名を削除したのではないだろうか。まあ、そんな経緯があっても、このドロドロした欲望こそがジェームス・ブラウンであり、この作品なくして、その後のジェームス・ブラウンを語ることはできない。

ローリングストーン誌も全時代・全カテゴリーのライヴアルバムの中で、『ライヴ・アット・ジ・アポロ』を第1位に選出している。

Producer: James Brown
1963年



I'll Go Crazy - James Brown
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