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ソウル&ファンク大辞典

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Pharoah Sanders / KARMA

極楽と混沌が混じり合うスピリチュアル・ジャズ

ファラオ・サンダース Karma,
Pharoah Sanders,
1969
このアルバムの圧巻は何といっても合計約33分近くに及ぶ“The Creator Has a Master Plan”のパート1と2だろう。Leon Thomas(レオン・トーマス)の「ホウホウ、ホウホウ」唸るヨーデルのような叫び声が印象的だが、何といってもファラオ・サンダースのサックスの存在感が際立つ。70年代へとつなぐ時代の空気をつくった一枚といえる。

ファラオ・サンダースは、晩年のJohn Coltrane(ジョン・コルトレーン)とも演奏を共にしており、妻アリスとも親しく、ほぼ弟子のような存在であった。この作品は彼の死の2年後に発表されている。死の間際、コルトレーンはフリージャズに傾倒していたので、死後はファラオ・サンダースが彼の遺志を受け継いだともいえる。

この作品のファラオ・サンダースは、かなり激しくサックスを吹いているが、全体を通した印象は、熱さよりもクールさだ。スピリチュアルな作品に多いピリピリとした緊張感よりも、カオスから突き抜けてきた仏教とも共通するパラダイスのようなリラックスした感じを受ける。アーティストとして非常に充実していたからではないだろうか。

ピアノでこれまたカオス&パラダイスの専門家Lonnie L. Smith Jr.(ロニー・リストン・スミス)が参加。

Producer: Bob Thiele
1969年



The Creator Has a Master Plan - Pharoah Sanders
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