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インドの弦楽器タンブーラや中東の琵琶のような楽器ウードを全面的に使用した本作では、アリス流のラーガ・ジャズが展開されている。一曲目のタイトル曲では、ゆっくりとしながらもうねるようなCecil McBee(セシル・マクビー)のベースに、シルクのようなアリスのハープとネットリと絡みつくようなエスニックな弦楽器が重なり、快楽のグルーヴを堪能できる。スピリチュアルな世界でぶっ飛ぶこともできるが、ちゃんと理知的にジャズとして成立している点が、この作品の素晴らしいところ。神秘の世界で漂っていても、冷静でいることこそが「サッチダーナンダへの旅」の真髄なのだろう。
アリス・コルトレーンは、この時期からインドの導師スワミ・サッチダーナンダに心酔するようになっていた。この作品はサッチダーナンダに捧げられたものであり、彼女の内面を最も正直に表した作品といえる。
Producer: Alice Coltrane, Ed Michel
1971年