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このアルバムのもう一人の主役はファラオ・サンダース。言わずと知れたフリー・ジャズ界の偉大なサックス奏者。この作品でも思う存分吹きまくっている曲もあるが、この作品の音楽の神は「マスター」のところに降りているので、“The Trance of Seven Colors”はジャズの範疇の音ではなく、やはりグナワということになるだろう。
さらにもう一人の主役が、プロデューサーのビル・ラズウェル。彼の感度の高いアンテナが、マリーム・マフムド・ガニアとファラオ・サンダースを出会わせ、西洋と北アフリカの音楽を自然な形でミックスさせた。
アルバム・タイトルの“seven colors”とは、グナワの儀式で神聖な色とされている7つの色にちなんでいる。それぞれの色が大地や魂を意味し、マスターが順番に各色のために音楽を捧げ、トランスとともに傷ついた人を癒していく。
3曲目の“Peace in Essaouira (For Sonny Sharrock)”は、1994年に亡くなったソニー・シャロックに捧げられている。
Producer: Bill Laswell
1994年