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この3人の勢いはA2“Rocks (For Cannonball)”になっても止まらない。むしろワートマンのベースは、A1よりも激しくなり、狂い始める。この曲でベースに対抗しているのは、Arthur Blythe(アーサー・ブライス)のサックス。ブライスは、まるでリズム楽器のようにサックスをうねらす。
そしてクラブシーンで注目を浴びたのがB1の“Center of the Earth”。一転、ラテンリズムを前面に出し、軽快にも聞こえるが、リードのドラムは、通常のラテンではありえないほど重々しい。
Miles Davis(マイルス・デイビス)、James Brown(ジェームス・ブラウン)、Sun Ra(サン・ラ)、Fela Kuti(フェラ・クティ)、Martha and the Vandellas(マーサ&ザ・ヴァンデラス)と、ブラックミュージックのあらゆる分野の大物とプレーしてきたスティーヴ・リード。この“Rhythmatism”は無理にカテゴライズするならフリージャズに入るかもしれないが、その内容は彼の経歴にようにもっと幅広い。この音の雑食具合は、パンクから派生して、あらゆる音楽のエキスを取り込んだThe Pop Group(ザ・ポップ・グループ)に近いものを感じる(表現の方向性は全く違うが…)。
どの曲もテンションが高すぎて、踊れるジャズというよりは、狂えるジャズであり、クラブよりも一人っきりで、狂乱しながら聞いていたい。
Producer: Steve Reid
1976年