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ソウル&ファンク大辞典

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Leon Ware / MUSICAL MASSAGE

70年代アーバン・メロウグルーヴの帝王

リオン・ウェア Musical Massage,
Leon Ware,
1976
Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)からの熱烈なラヴコールを受け、代表作のひとつ“I Want You”の作者としてコラボしたことで知られるLeon Ware(リオン・ウェア)。この『ミュージカル・マッサージ』もほぼ『アイ・ウォント・ユー』と同時期にレコーディングされており、テイスト的にもマーヴィンのアルバムと兄弟作といえる。というか、元々用意していた曲は全てマーヴィン・ゲイが使うことになったため、このアルバム用に同じテイストで新たに作り直した、というのが実情のようだ。

アーティストとして個人名義のアルバムはたくさんあるが、リオン・ウェアが評価されるようになったのは、マーヴィン・ゲイを魅了したように作家としての方が早かった。1967年から作曲家としての活動を始め、Isley Brothers(アイズレー・ブラザーズ)やIke & Tina Turner(アイク&ティナ・ターナー)、Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)等のトップアーティストに曲を提供していた。

『ミュージカル・マッサージ』はリオン・ウェアにとって2枚目のソロアルバムで、裏方として築いた豊富な人脈が生かされている。ゲストヴォーカルにはマーヴィン・ゲイはもちろんのこと、Minnie Riperton(ミニー・リパートン)やBobby Womack(ボビー・ウーマック)等の大スターも参加している。

スーパースターであるマーヴィンの“I Want You”に全精力を使ったはずなのに、この時期のリオン・ウェアの才能は尽きることがなかったようだ。駄曲がひとつもない。ストリングスのアレンジはどこまでも甘美で、Chuck Rainey(チャック・レイニー)のベースもメロディアスにJames Gadson(ジェームス・ガドソン)のドラムとタイトなグルーヴを生み出す。ガドソンは元Charles Wright & the Watts 103rd Street Rhythm Band(チャールズ・ライト&ザ・ワッツ・103rd・ストリート・リズム・バンド)のメンバーで、Bill Withers(ビル・ウィザース)の“Still Bill(1972年)”の録音にも参加している。

マニア受けするアーティストなので一般的な知名度はそれほど高くはないかもしれないが、1970年代で都会的なメロウサウンドの第一人者をあげろと言われれば、リオン・ウェアの名は必ずあがるはずだ。

Producer: Leon Ware, Hal Davis
1976年



Phantom Lover - Leon Ware
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