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個人名義のアルバムはたくさんあるが、リオン・ウェアが評価されるようになったのは、作家としての方が早かった。1967年から作曲家としての活動を始め、Isley Brothers(アイズレー・ブラザーズ)やIke & Tina Turner(アイク&ティナ・ターナー)、Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)等のトップアーティストに曲を提供していた。
“Musical Massage”はリオン・ウェアにとって2枚目のアルバムで、裏方として築いた豊富な人脈が生かされている。ゲストヴォーカルにはマーヴィン・ゲイはもちろんのこと、Minnie Riperton(ミニー・リパートン)やBobby Womack(ボビー・ウーマック)も参加している。
スーパースターであるマーヴィンの“I Want You”に全精力を使ったはずなのに、この時期のリオン・ウェアの才能は尽きることがなかったようだ。駄曲がひとつもない。ストリングスのアレンジはどこまでも甘美で、Chuck Rainey(チャック・レイニー)のベースもメロディアスにJames Gadson(ジェームス・ガドソン)のドラムとタイトなグルーヴを生み出す。ガドソンは元Charles Wright & the Watts 103rd Street Rhythm Band(チャールズ・ライト&ザ・ワッツ・103rd・ストリート・リズム・バンド)のメンバーで、Bill Withers(ビル・ウィザース)の“Still Bill(1972年)”の録音にも参加している。
マニア受けするアーティストなので一般的な知名度はそれほど高くはないかもしれないが、1970年代で都会的なメローサウンドの第一人者をあげろと言われれば、リオン・ウェアの名は必ずあがるだろう。
Producer: Leon Ware, Hal Davis
1976年