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メンバーは8〜10名と大編成なので、綿密にサウンドを組み立てていくタイプなのかと思いきや、どちらかというと音はスカスカで、作品を聞いてもまだミックスダウンの途中のような印象を受ける。サウンドは基本ファンクだが、ジェームス・ブラウンのような汗だく感はない。サウンドの幅は広く、オーティス・レディングのコピーから(カバーというより、本当にコピーといった感じ)、同時代のスライ&ザ・ファミリー・ストーン的な曲や、“65 Bars And a Taste of Soul”のような渋い曲まであり、雑食性が高い。興味があるものは全て取り込んでいくのが、このバンドの最大の魅力だろう。
コメディアンのBill Cosby(ビル・コスビー)のバックを務め、メジャーデビューのきっかけをつかむが、彼らの本領が発揮されるのは1968年のセカンドアルバム“Together”から。このアルバムに収録のミドル・グルーヴ“Do Your Thing”が全米チャート11位の大ヒットとなった。
1969年の“In the Jungle Babe”からは、“Love Land”がヒットした。この曲は後にTower of Power(タワー・オブ・パワー)やLost Generation(ロスト・ジェネレイション)がカバーし、今ではTOPのバージョンが最も有名になった。そして1970年の『エクスプレス・ユアセルフ』からは、タイトル曲がR&Bチャート3位の大ヒットとなった。
ちなみにギタリストのAl McKay(アル・マッケイ)はチャールズ・ライト&ザ・ワッツ・103rd・ストリート・バンドを1969年に脱退後、アース・ウィンド&ファイアーに加入し、中心メンバーとして活躍した。
唯一無二のこのユルさは、何回聞いても飽きることがない。