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ソウル&ファンク大辞典

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Bill Withers / STILL BILL

尽きることのない才能が全身から溢れ出る初期の名盤

ビル ウィザース Still Bill,
Bill Withers, 1972
この“Still Bill”では、Charles Wright & the Watts 103rd Street Rhythm Band(チャールズ・ライト&ザ・ワッツ・103rd・ストリート・リズム・バンド)のメンバーのうち4名に、Motown Records(モータウン)で数多くの名演を残している女性パーカッショニストBobbye Hall(ボビー・ホール)を加えた5名で録音。ワッツ・103rd・ストリート・リズム・バンドの4人は、ビル・ウィザースとともに共同プロデューサーとしても名を連ねている。

33歳になってようやくデビューアルバムを出すことができたビル・ウィザース。そこから大ヒットした“Ain’t No Sunshine”と並ぶ代表曲が、この第2作目に収録されている“Lean on Me”と“Use Me”だ。ウィザースの安定感は相変わらずだが、ワッツのメンバーが自分たちのプロジェクトでは結構ユルい演奏をしているのにも関わらず、このアルバムでは別人のような緊張感溢れるプレイを披露している。ドラムのJames Gadson(ジェームス・ガドソン)はこの作品がきっかけで、その後、数多くのアーティストに招かれ、売れっ子ミュージシャンになった。

このアルバムのハイライトはやはり“Lean on Me”だろう。カバーバージョンのイメージが強いせいか、ソウル・クラシックとなったこのスタジオ録音のオリジナル版を改めて聞くと、意外なほどシンプルなことに気づく。根底にはゴスペルが流れているが、ストリングスやピアノの使い方にはビートルズ以降のロックの影響も感じる。

Crusaders(クルセーダーズ)と共演した“Soul Shadows(1980年)”や、Grover Washington, Jr.(グローバー・ワシントン・ジュニア)の“Just the Two of Us(1980年)”のようなアダルトなビル・ウィザースもいいが、“Still Bill”の頃の、尽きることのない才能が全身から溢れ出るような時代も捨てがたい。

Producer: Bill Withers, Benorce Blackmon, James Gadson, Melvin Dunlap, Raymond Jackson
1972年



Use Me - Bill Withers
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