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そのなかでもグループのピークとされるのが、本作“Harvest for the World”をリリースした70年代中期だ。1973年の“3 + 3”から弟のErnieら3人を正式メンバーとして迎えて、新生アイズレー・ブラザーズとして4作目にあたる本作で、一気にバンドとしての成熟度を増した。この頃のアイズレーは、ファンキーなイメージが強いが、さすがにベテランバンドだけあってサウンドの幅は非常に広い。“(At Your Best) You Are Love”や“Let Me Down Easy”は80年代へとつながるような最高のメローソウルだし、タイトル曲の“Harvest for the World”は同時代のロックやフォークの影響も感じ、シンプルにいい曲。このバンドのいいところは、“So You Wanna Stay Down”や“People of Today”のようなファンキーな曲をやってもメロディーが哀愁を帯び、美しいことだ。
Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)がアイズレー家に住みついて、演奏にも参加していたのは有名な話だが、そのジミヘンばりにギターを弾きまくるErnie Isley(アーニー・アイズレー)の個性も凄い。ライブの映像を見てもジミヘンのような衣装を着て、ジミヘンのように歯でギターを弾いてみたりと、ファンクバンドに似つかわしくないようにも思えるが、彼の音なしでは70年代のアイズレーサウンドは成立しない。
ソウルやファンクが特別好きではなくても、「音楽」ファンなら、きっと気にってもらえる高品質な一枚。
Producer: Isley Brothers
1976年