ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
Electric Ladyland,一曲ごとにイメージが変わり、ロックからブルース、ファンクと幅も広い。ヴードゥーの祈りのリズムから始まるジミヘンの代名詞的なロックテイストが強いD4 “Voodoo Child (Slight Return)”のような曲もいいが、まるでカーティス・メイフィールドがドラッグ中毒になってソウルを演ったようなA2 “Have You Ever Been (To Electric Ladyland)”や、Gil Evans(ギル・エヴァンス)のカバーも有名なサイケデリック・ファンクのA3 “Crosstown Traffic”、Mike Finnigan(マイク・フィニガン)のオルガンが最高なサイケ・ブルースのB1 “Still Raining, Still Dreaming”も素晴らしい。
『エレクトリック・レディランド』には多くの有名ミュージシャンが参加していることでも知られている。B2 “Long Hot Summer Night”ではAl Kooper(アル・クーパー)がキーボード、B5 “Burning of the Midnight Lamp”ではコーラスでSweet Inspirations、D3 “All Along the Watchtower”ではBrian Jones(ブライアン・ジョーンズ)がパーカション、その他にもDave Mason(デイヴ・メイスン)やSteve Winwood(スティーヴ・ウィンウッド)等が参加。スタジオは常に人で溢れ、(いろいろな意味で)混沌とした状態でレコーディングが進んだという。おそらく記録に残せないようなこともあれこれとあっただろう。
つまりこの『エレクトリック・レディランド』は、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスというロック・バンドの作品というよりは、ジミ・ヘンドリックスの脳みそを多くの人の手や◯◯の力を借りて、混沌の中でサイケデリックに、しかも知的に表現した作品といえる。混沌と創造は表裏一体の存在であり、混沌の海にダイヴしない限りいい作品は作れないのだ。
Producer: Jimi Hendrix
1968年