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ソウル&ファンク大辞典

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Jimi Hendrix Experience / ELECTRIC LADYLAND

ギターでタクトを振ったサイケデリック交響曲

ジミヘン Electric Ladyland,
Jimi Hendrix Experience,
1968
ジミ・ヘンドリックスの中で最もぶっ飛んだアルバムなのに、唯一全米ナンバー1を獲得した作品。おそらくオーディエンスのことは念頭に置かず、ジミヘンがレコード芸術としてやりたいことに集中して、全てを詰め込んだのがこの『エレクトリック・レディランド』。

一曲ごとにイメージが変わり、ロックからブルース、ファンクと幅も広い。ジミヘンの代名詞的なロックテイストが強いD4 “Voodoo Child (Slight Return)”のような曲もいいが、まるでカーティス・メイフィールドがドラッグ中毒になってソウルを演ったようなA2 “Have You Ever Been (To Electric Ladyland)”や、Gil Evans(ギル・エヴァンス)のカバーも有名なサイケデリック・ファンクのA3 “Crosstown Traffic”、Mike Finnigan(マイク・フィニガン)のオルガンが最高なサイケ・ブルースのB1 “Still Raining, Still Dreaming”も素晴らしい。

『エレクトリック・レディランド』には多くの有名ミュージシャンが参加していることでも知られている。B2 “Long Hot Summer Night”ではAl Kooper(アル・クーパー)がキーボード、B5 “Burning of the Midnight Lamp”ではコーラスでSweet Inspirations、D3 “All Along the Watchtower”ではBrian Jones(ブライアン・ジョーンズ)がパーカション、その他にもDave Mason(デイヴ・メイスン)やSteve Winwood(スティーヴ・ウィンウッド)等が参加。スタジオは常に人で溢れ、(いろいろな意味で)混沌とした状態でレコーディングが進んだという。

つまりこの『エレクトリック・レディランド』は、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスというロック・バンドの作品というよりは、ジミ・ヘンドリックスの脳みそを多くの人の手を借りて、混沌の中でサイケデリックに、しかも知的に表現した作品といえる。

Producer: Jimi Hendrix
1968年



Voodoo Child - Jimi Hendrix Experience
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