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まるで本当の天使のようであまり「黒さ」を感じさせないミニー・リパートンの歌声だが、若い頃は地元シカゴの名門レーベルChess Records(チェス)で、Etta James(エタ・ジェームズ)、Fontella Base(フォンテラ・バス)、Muddy Waters(マディ・ウォーターズ)等のバックヴォーカルを務めたこともあった。スティービー・ワンダーのバックを務めた名演もYouTube上に残されている(この時のスティービー・ワンダーがまた凄い!)。
このアルバムを伝説としたのは、何といってもB3 “Lovin You”の存在だろう。数えきれない程のアーティストにカバーされたこの曲では、ミニーの代名詞ともいえるスーパーソプラノヴォイスが堪能できる。ちなみにこの歌をより印象的にしている鳥のさえずりに対しては、ちゃんと裏に“Mocking Bird - God”とクレジットでされいる。ブラック・ミュージックは、発生・発展のどの時点においても神との関係抜きでは語れない。
個人的には、スティービーが提供した2曲(“Take a Little Trip”、“Perfect Angel”)と“Lovin You”が好きだが、他の曲も、実験的なRotary Connection(ロータリー・コネクション)時代を彷彿とさせ、彼女の魅力がよく出ている。
ソウルという枠を超えて、ゴスペルとはまた違う天上世界の音楽のようであり、間違いなく70年代を代表する名盤の一枚だろう。
大名曲『ラヴィン・ユー』がチャート1位に輝いた翌年、ミニー・リパートンはガンの宣告を受け、テレビで自分の病について告白している。それから4年後、31歳の若さでこの世を去った。スティービー・ワンダーが、ミニーのために作った新作を聞きながら、夫の腕の中で亡くなったという。
Producer: Scorbu Productions
1974年