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ソウル&ファンク大辞典

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Stevie Wonder / FULFILLINGNESS’ FIRST FINALE

新たな苦難を創造力で克服したスティーヴィーの歴史的名盤

スティービーワンダー Fullfillingness'
First Finale,
Stevie Wonder, 1974
スティービー・ワンダーが神懸かっていた時期、いわゆるスティービー・ワンダー3部作の最終作。3枚の中では一番内省的な印象で、バラードも多く、派手さは少ないかもしれない。それでもスティーヴィー・ワンダーとして初のビルボード・ポップチャートで1位をとったスタジオ録音盤となった。

1973年の“Innervisions”発表後、スティービー・ワンダーは交通事故に遭い、嗅覚の一部の感覚も失ってしまった。しかし、そんな悲劇の後でも彼の想像力は尽きることなく、こんなに美しい作品を残してくれた。

特に針を落とした瞬間から3曲続く優しいバラードは筆舌に尽くし難い。何気なく始まる1曲目の“Smile Please”から、次の“Heaven Is 10 Zillion Light Years Away”、そして天使の歌声のようなスチールギターが響く“Too Shy to Say”とただただ素晴らしい。個人的にはこのまま全曲ミディアムかバラードだけでもいいような気がした。1曲目ではDeniece Williams(デニース・ウィリアムス)、2曲目ではSyreeta(シリータ)がコーラスを務めている。A面最後のこれまた素晴らしく浮遊感あふれる“Creepin’”やB2“In Ain’t No Use”では、Minnie Riperton(ミニー・リパートン)のハイトーンヴォイスも聞ける。

このアルバムからシングル・カットされたアップテンポの“You Haven’t Done Nothin”と“Boogie on Reggae Woman”が大ヒットしている。

スティービー・ワンダーが異次元の境地に達していた時期の作品なので、全音楽ファンに対して激しくオススメできる超推奨盤。

Producer: Stevie Wonder
1974年



Heaven Is 10 Zillion Light Years Away - Stevie Wonder
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