ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。
その頃、ミュージカルに出演したことがきっかけで、音楽を担当していたQuincy Jones(クインシー・ジョーンズ)と出会い、意気投合する。ふたりはさっそくマイケルの新作のプロダクションに取りかかる約束を交わす(ちなみに、このミュージカル映画“The Wiz”でのマイケルの演技への没頭ぶりは、良くも悪くも鬼気迫るものがあったという)。
これまでの作品に満足していなかったマイケルは、本作で新境地を切り開きたかったが、具体的なアイデアがあるわけではなかった。それでもHeatwave(ヒートウェイヴ)のRod Temperton(ロッド・テンパートン)や、スティービー・ワンダー、ポール・マッカートニー等、超一流のアーティストから曲の提供を受け、徐々に作品の構想は固まってきた。
特に「オフ・ザ・ウォール」の方向性を決定づけたのはロッド・テンパートンだった。当時、彼が所属していたヒートウェイヴはダンスフロアを席巻しており、独特の浮遊感のあるディスコサウンドに人々は熱狂していた。
テンパートンはまずマイケルの得意な部分を活かしながら、ヒートウェーブで培った独自のグルーブ感をミックスすることを心がけた。彼はA2 “Rock with You”、B1 “Off the Wall”、B6 “Burn This Disco Out”の3曲を提供しているが、マイケルが書いたA1 “Don’t Stop ‘till You Get Enough”等にも、テンパートンの影響がみえておもしろい。
この作品で大成功を収めたマイケル・ジャクソンは、それまでの幼いイメージを一掃し、大人のアーティストとして「キング・オブ・ポップ」の道を一歩踏み出した。
Producer: Quincy Jones & Michael Jackson
1979年