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そんな彼が率いたファンク・バンド、Harlem River Drive(ハーレム・リヴァー・ドライヴ)唯一のスタジオ録音のアルバムが本セルフ・タイトル作。音楽のベースにはラテンが流れているが、エディ・パルミエリ個人名義の作品とは違いハーレム・リヴァー・ドライヴでは、ジャズやファンクのグルーヴを意識的に強調している。1970年代初期のMiles Davis(マイルス・デイビス)、Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)、Curtis Mayfield(カーティス・メイフィールド)等に同調するかのように、米国社会に生きるラテン系アーティストの解答が、このハーレム・リヴァー・ドライヴではないだろうか。
特にJimmy Norman(ジミー・ノーマン)のヴォーカルがファンク色を濃くしている。ノーマンは、ローリングストーンズがカバーした“Time Is on My Side”の作者で、ジミー・ヘンドリックスやボブ・マーリーとも仕事をしており、非常に幅広い音楽的バックグランドを持つ人。
エディの兄、Charlie Palmieri(チャーリー・パルミエリ)が弾くオルガンの音が印象的なA1のタイトル曲が全体のトーンを決めている。3曲目の“Idle Hands”は、当時のハーレムの空気感がよく出た70年代ラテン・ファンク屈指の名曲。ちなみにこの曲のドラムはBernard Purdie(バーナード・パーディ)、ギターはCornell Dupree(コーネル・デュプリー)が担当している。ドープな雰囲気に浸りたいならB1の“Broken Home”。そしてクライマックスはラストの“Seeds of Life”。パーディとデュプリーに加えてRandy Brecker(ランディ・ブレッカー)がファンキーなトランペットで盛り上げている。
Producer: Eddie Palmieri, Lockie Edwards
1971年