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それまでのロックステディ的なものよりも重いビートが採用され、いわゆる『レゲエ』的なグルーヴがこのアルバムで完成した。そしてそれまでは米国のソウルやR&Bの影響を受けていた歌詞も、ラスタファリの精神と政治的な要素が加わり、芸術性を増した。
今でも歌い継がれる“Concrete Jungle”、“Stir It Up”、“Kinky Reggae”をはじめとするボブ・マーリーの曲ももちろんいいが、この時代のウェイラーズの魅力はピーター・トッシュがいたことだろう。彼の“400 Years”と“Stop That Train”もボブ・マーリーに劣らず素晴らしい。
このアルバムのオリジナル版のジャケットは、ジッポライターのような形になっており、上部が本物のジッポのように外せる仕組みとなっていたが、世界デビューに際してジャケットの制作コストがかかりすぎるので、ボブ・マーリーがハッパを吸っている写真に差し替えられた。今なら世界デビューを果たすアーティストのジャケット写真がこんなことになることはないだろうが、70年代は相当おおらかだったのだろう。
Producer: Bob Marley, Chris Blackwell
1973年