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音楽的にはP-Funk(Pファンク)界の総帥ということになっているが、これはあまり意味がない。音楽的・レーベル・時空の境界を自由に飛び越えているので、この人の場合、カテゴライズすること自体に意味がないからだ。彼の音楽は聴くのではなく、感じるものであって、判断基準は、単に肌に合うか合わないかだけ。
10代の頃にはThe Parliaments(ザ・パーラメンツ。当時はParliamentではなく、「ザ・パーラメンツ」だった)というドゥーワップグループを結成。その後はモータウン・サウンド。そしてファンクとサイケデリックを体現し、ロック色の強いFunkadelic(ファンカデリック)の結成。そして元J.B.'sのBootsy Collins(ブーツィー・コリンズ)との出会いによりファンクにどっぷり染まっていき、いわゆるPファンク的なサウンドを完成させていく。
Pファンクを愛する人にはすべての作品が必聴盤だと思うので、ここでは各時代の代表作のみいくつか紹介。
まずはファンカデリック1971年の作品“Maggot Brain”。この時代はファンクよりもサイケデリック・ロックの影響が強く、Eddie Hazel(エディ・ヘイゼル)がジミヘンばりのギターを弾きまくっている。オススメは“Super Stupid”と“Wars of Armageddon”。
Parliament(パーラメント)の“Mothership Connection(1976年)”では、このバンドのキャラクターを完全に確立。宇宙船に乗った正義の味方Dr. Funkenstein(ドクター・ファンケンシュタイン)が、ファンクを広めようと活躍する。この頃のステージも必見。
ファンカデリックの1978年の作品“One Nation Under A Groove”は『P』という枠なしでも十分評価されるファンクの名盤。タイトル曲にPファンクのすべてのメッセージが凝縮している。
1982年のクリントンのソロ作“Computer Games”は問題作だ。この作品でクリントンは宇宙船から降りて、地上へとやってきた。『P』を求める人には物足りないかもしれないが、このアルバムが同時代や後世に与えたインパクトはあまりにも大きい。