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本作リリースの頃には、ドン・チェリーの養女であり、まだ10代半ばだったネナ・チェリーをステージに上げてパフォーマンスさせ、抜けたドラマーの補充として、ザ・ポップ・グループのブルース・スミスが加入している。このふたりはその後Rip Rig + Panic(リップ・リグ・アンド・パニック)を結成している。このことからもジャズやブラック・ミュージックへの傾倒は必然であったのだ。ちなみに、ザ・ポップ・グループのデビュー・アルバム“Y”は、ザ・スリッツへのオマージュであるともいわれている。というのも英語で“slit”とは女性陰部を意味するスラングであり、その割れ目である一本線にもう一本の棒を突き立てたのが“Y”の由来であるといわれている。
普段の素行から音楽活動まで全てが破天荒なザ・スリッツだが、ベースとドラムのリズム隊だけは、プロデューサーでもあるデニス・ボーヴェルに徹底的に叩き込まれたという。そしてこのグルーヴに精神的支柱であるヴォーカルのアリ・アップの感性が溶け合い、レゲエ・バンドにもパンク・バンドにも、そしてジャズやファンクのバンドにも出せない独自の音楽が完成した。
ジャケット・デザインは80年代数々のアーティストや雑誌を手がけ一世風靡したネヴィル・ブロディ。
Producer: Dennis Bovell, Dick O’Dell, The Slits
1981年