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幼い時は一回り上の年代のアメリカのミュージシャン、ジェームス・ブラウンやオーティス・レディング、ウィルソン・ピケット、レイ・チャールズ等を聞いていたという。音楽に強い興味を持ったロイはベニンの学校でピアノを習い、知識を深めていく。ガーナに戻ってからは、軍隊の楽団、Mag-2と出会い、食いぶちを見つけた。Mag-2は、このアルバムでもバックを務めている。
録音はガーナの首都アクラなので、同時代のアメリカのレコードに比べれば非常に悪い。アンサンブルもスカスカだが、これが逆にパンクのような音楽に対する強い初期衝動を感じ、むしろアフロにはあっているような気さえする。実際、ロブがこだわったというホーンセクションの入り方なんかは、英国ポストパンクのA Certain Ratio(ア・サートゥン・レイシオ)がファンクに接近した時代の音にも似ている。もちろん、当時のロブがACRのことを知っているはずがないが。
サウンドのベースは、やはり幼い時に聞いたアメリカのファンクが強く、そこにアフロの要素をまぶした感じ。キーボードの入れ方はフェラ・クティを意識したようにも感じる。どことなくジャマイカのアーティストのような匂いもし、ダブ系レゲエの雰囲気もある。
こうして書くとオリジナリティがなさそうに聞こえるかもしれないが、ロブの最大の長所は誰にも真似できないチープ感でありチャンプルー感。どんなことであれ誰にも真似できないことを演るというのは、ミュージシャンにとっての大事な要素のひとつ。
1977年