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第3作目にあたる“Sextet”では、女性ヴォーカリストMartha Tilson(マーサ・ティルソン)が加入。普通ならポップさを増しそうなものだが、ACRの場合は、より呪術性が加わった。ベースがスラップを多用してリズムを強調しているのに、マーサ・ティルソンのヴォーカルにはメロディーやリズムもなく、リズム隊とのミスマッチが凄まじい。ただし、これこそがACR最大の魅力であり、唯一無二のグルーヴなのだ。ホーンセクションやピアノの外し具合も、ジャズやブラックミュージックだけを聞いてきたアーティストには出せないオリジナリティがある。
パンクのアーティストが下手な演奏でロックの常識を破壊したように、この作品のACRは技術偏重になっていたジャズファンクに対する強烈なアンチテーゼを提示している。
この作品がファンクであることさえ、ほとんどのファンには認識されていないが、ブルース・リーの名言“Don't Think. Feel.(考えるな、感じろ!)”的な隠れた名作だ。
1980年のBanbarra(バンバラ)のカバー曲“Shack Up”と翌年の“Do the Du”も必聴。
Producer: ACR
1982年