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ポスト・パンクの時代のファンクは二つの方向に分かれる。一つはポップ・グループやリップ・リグ+パニック、ピッグバッグのようなアフロやアヴァンギャルド・ジャズとパンクが雑多に混じり合った有機的なサウンド。もう一方はファンクとは対極的な「死」をイメージさせるサウンド。特に耽美的でデジタルを用いていることに特徴がある。そして後者を代表する作品こそが、ジョイ・ディヴィジョンの『クローサー』だ。
ジョイ・ディヴィジョンがファンクの視点で語られることはほとんどない。しかし、このアルバムはどこを切っても、死を連想させるファンクしか収録されていない。イアン・カーティスの突然の死が、シド・ヴィシャスと同じぐらい衝撃的だったので、パンクの継承者としての印象を植え付けたのだろうが、この作品の後、ニューオーダーが進んだ道を見れば、無意識かもしれないが、彼らがファンク(ダンスミュージック)に向かっていたのは明らかだ。
Producer: Martin Hannett
1980年