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この作品が画期的なのは、トーキング・ヘッズのようなメジャーな存在ではありえない、ポリリズムを全面的に採用したことだ。短いフレーズを延々と繰り返す手法は、完全にFela Kuti(フェラ・クティ)のようなアフリカのミュージシャンからの引用であり、ジェームス・ブラウンとは全く違うタイプのファンクを、白人の彼らが作り上げた。また、黒人ミュージシャンが生の演奏でうねりを生み出すのに対して、トーキング・ヘッズはエンジニアリング・ワークで未知のグルーヴを生み出した。音源をズタズタに切り刻んで、グルーヴを生み出す手法は、ヒップホップにも影響を与えている。(ただし彼らの場合、映画『ストップ・メイキング・センス』で証明しているように、ロックバンドのカテゴリーでは収まらないぐらいライヴパフォーマンスも見応え十分で超一級!)
これほど実験的な作品なのにこのアルバムは、フェラ・クティやジェームス・ブラウンよりもセールス的に成功している点もすごい。
トーキング・ヘッズにとっての最高傑作であり、ファンクが人種を超えて、新たな局面を迎えるきっかけになった作品。
Producer: Brian Eno
1980年