ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。
スモール・フェイセズの凄さはそのドライヴ感にある。サム・クックの「シェイク」のカバーで始まるように、彼らはR&Bやソウルに強い影響を受けている。しかし米国のブラック・ミュージックとはノリが全く違う。スモール・フェイセスは、敬愛するソウル・ミュージックを素材にして、人生を歌おうとしているのではなく、ビートをドライヴさせることだけに命をかけているのだ。それはジェームス・ブラウンの影響を受けた“Come On Children”や、マディ・ウォーターズ(ウィリー・ディクスン作)“You Need Love”の改作“You Need Loving”を聞けば明らかだ。この点においてはArtwoods(アートウッズ)とも共通する。このドライヴ感は、その後のブリティッシュ・ロックに大きな影響を与え、The Jam(ザ・ジャム)のような正統派の継承者を生んだ。そしてSteve Marriott(スティーヴ・マリオット)の激しいヴォーカルは、モッズやブラックミュージックにとどまらず、意外なことに70年代以降のハードロックの一つのひな型となった。
Producer: Ian Samwell, Kenny Lynch, Don Arden
1966年