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ソウル&ファンク大辞典

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Artwoods / ART GALLERY

売れなかったことこそ彼らの称号

アートウッズ Art Gallery,
Artwoods, 1966
60年代モッズ・シーンで最も集客力のあるバンドの一つだったアートウッズ。バンド名の由来は、リード・シンガーArthur Wood(アーサー・ウッド)がArt Woodと名乗っていたことから。ちなみに彼の弟は、後にフェイセズやローリングストーンズのメンバーになるロン・ウッド。

『アート・ギャラリー』は彼らにとって唯一のオリジナル・アルバム。しかしオリジナルといっても全曲ソウルやブルースのカバー曲ばかりで占められている。Allen Tourssaint(アラン・トゥーサン)の曲でLee Dorsey(リー・ドーシー)のバージョンが有名な“Can You Hear Me”に始まり、Eddie Floyd(エディ・フロイド)の“Things Get Better”、Jimmy Smith(ジミー・スミス)もカバーしたジャジーでブルージーな“Walk on the Wild Side”(1962年の映画のタイトル曲。ルー・リードはこの映画の原作に影響を受け、同名の曲を書いた)、Bobby Bland(ボビー・ブランド)の“Don’t Cry No More”等、非常に幅広い選曲。当時の英国人がどれだけブラックミュージックに影響を受け、楽しんでいたのかが窺い知れる。(このアルバムには収録されていないが、彼らはカバーだけではなく“I'm Looking for a Saxophone Doubling French Horn Wearing Size 37 Boots”という長い曲名のカッコいい自作曲も残している)

オルガンをブリブリ鳴らしているのは、ディープパープルで一時代を築くことになるジョン・ロード。

アートウッズはライヴでは人気があったものの、ファーストアルバム『アート・ギャラリー』のセールス不振によりバンドは解散へと至った。感度の高いモッズのアンテナには引っかかったが、ブラックミュージックを独自の解釈で演奏するスタイルは、一般大衆にはまだ馴染まなかったようだ。

だが、大衆にとって「早すぎた」という事実は、ある意味モッズにとっては称号のようなものでもある。

Producer: Mike Vernon
1966年



I'm Looking for a Saxophone Doubling French Horn Wearing Size 37 Boots - Artwoods
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