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コルトレーンと契約したもののクリード・テイラー自身はVerve(ヴァーヴ)へと移ることになる。このレーベルでは、まだ米国ではあまり注目されていなかったボサノヴァのレコーディングを手がけた。代表作は、今でもボサノヴァの定番であるAntonio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン)とAstrud Gilverto(アストラッド・ジルベルト)の“The Girl from Ipanema(イパネマの娘)”だ。この作品はStan Getz(スタン・ゲッツ)とJoão Gilberto(ジョアン・ジルベルト)の“Getz/Gilberto(1964年)”に収録されている。
1967年、次のレコード会社A&Mで、テイラーは自らの名を冠したCTI(Creed Taylor International)をスタートさせる。しかし、すぐにこのレーベルを持って独立し、自主レーベルとしてCTIは再スタートする。
クリード・テイラーの制作アプローチは60年代のMotown(モータウン)やStax(スタックス)に似たものがあった。契約するアーティストは、レーベル内の他のアーティストに対してもバック・ミュージシャンとして協力し、ハウスバンド的な役割も果たし、レーベル全体の個性を演出した。George Benson(ジョージ・ベンソン)、Joe Farrell(ジョー・ファレル)、Hubert Laws(ヒューバート・ロウズ)、Stanley Turrentine(スタンリー・タレンタイン)、Hank Crawford(ハンク・クロフォード)、Bob James(ボブ・ジェームス)、Freddie Hubbard(フレディ・ハバード)、Deodato(デオダート)と70年代を代表する蒼々たるアーティストが在籍した。
常にチャレンジをし続けたので、頭の固いジャズファンには評価が低いが、それだけ常識にとらわれなかったという証拠でもある。