Airto / FREE
全く同じメンバーで全く同じ曲をカバーした大胆不敵な作品
Free,
Airto, 1972
ブラジルのリズム職人、アイアート・モレイラの
CTI移籍後第1作目。一曲目がいきなりChick Corea(チック・コリア)の“Return to Forever”で意表を突かれる。アイアート自身もチック・コリアのバージョンに参加していたが、ピアノにチック・コリア本人、ベースにStan Clarke(スタンリー・クラーク)、フルートでJoe Farrell(ジョー・ファレル)、ヴォーカルはモレイラの夫人であるFlora(フローラ・プリム)と、その他のメンバーまで全く同じとは大胆。曲の印象も似ているが、CTIと
ECMのプロデュースの違いを聴き比べてみると面白い。
圧巻はアフロとブラジルが合体し、パーカッショニストとしての本領を発揮するタイトル曲“Free”。こうした曲がスピリチュアルではなく、肉体的に表現できるところがブラジル人の恐ろしいところ。
アイアート・モレイラは、CTIに移籍したことで、ソロアーティストとして一気に垢抜けた。70年代の空気感を吸収しながらも、現代に通用する普遍性を獲得している。
B2 “Lucky Southern”のギターでGeorge Benson(ジョージ・ベンソン)が参加。
Producer: Creed Taylor
1972年