ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
ECMのモットーは哲学的にも聴こえる“The Most Beautiful Sound Next to Silence(静寂の次に最も美しい音)”。ECMの作品はモットー通りの美しさで、米国のレーベルとは違う幽玄的な独自の世界観を構築した。この特徴は、逆に言えば、アーティストが変わっても、サウンドのイメージが共通しているため(もしくはプロデューサーの主張が強く出すぎているため)、人によっては評価の分かれる点でもある。この美学は、サウンドだけではなく、ジャケットデザインにまで貫かれており、どのアーティストの作品も一目でECMのものだと分かる表現がなされている。
熱いブラジル音楽を氷河に閉じ込めたようなChick Corea(チック・コリア)の名作“Return to Forever”をはじめ、このレーベルの70年代を代表するアーティストとしては、Keith Jarrett(キース・ジャレット)、David Holland(デヴィッド・ホランド)、Jack Dejohnette (ジャック・デジョネット)、Pat Metheny(パット・メセニー)等がいた。
かつてECMのジャケットがフロントにデザインされたTシャツ・シリーズがユニクロからリリースされていたらしい(買っておけばよかった)。