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このユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ唯一のオリジナル・アルバムも、あえて分けるならサイケデリック・ロックあたりになるのかもしれないが、これをロックと呼ぶには、あまりにも横暴すぎる。
中心メンバーのJoseph Byrd(ジョセフ・バード、もしくはジョー・バード)は、大学時代にはジャズを演り、作曲を学んだ。アリゾナ大学、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校と渡り歩いており、相当向学心のある人だったのだろう。現代音楽の巨匠ジョン・ケージにもつき、アヴァンギャルド音楽も学んだという。つまり彼は単なるジャンキーではなく、「頭よすぎてイっちゃった系」のミュージシャンである。グループ名も、きっと考えに考え抜いた末に国家と同名になってしまい、何の独自性もないものになってしまったのだろう(と勝手に推測する)。
だからこそ、このアルバムには、ロックだけではなく様々な要素が詰め込まれている。彼の頭の中にはサイケデリックであろうという意志さえなかっただろう。ジャズやロック、民族音楽、電子音楽、アヴァンギャルド音楽、パフォーマンスアート、(そしてもちろんドラッグ)を鍋の中に入れ、グルグルかき混ぜて出来上がった「時代の闇鍋」がこの作品なのだ。
Producer: David Rubinson
1968年