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このアルバムはピンク・フロイドの核であるシド・バレットが中心となって制作された唯一の作品である(セカンド・アルバム「神秘」にも少しは関わっているが、ほぼヘロヘロ状態だったので)。つまりまだ彼が正気に近い状態(もしシドに正気であった時代があったならという前提だが…)で録音された唯一の作品でもある(ソロ・アルバムでさえ強引にトラックを重ねた感が否めないので)。
このアルバムを無理やりカテゴライズするなら、「サイケデリック」であることだけは間違いない。アルバムの世界観がほぼシド・バレットの脳内世界とイコールだからだ。ロジャー・ウォーターズ、リチャード・ライド、ニック・メイスンの三人は、シドの想像力をしっかりとサポートするために存在している。この構図は、偉大なジャズ・プレイヤーと優秀なバックバンドにも似ている。シドのサイケ世界は、まるでフリージャズの即興ソロのように自由に行き交う。ちょうどこの時期は、ブラック・ミュージックに衝撃を受けた英国の白人が自分たちの文化に置き換えなんとか消化しようと苦闘していた。こうして到達地点が本人たちにも全く予想できないほど、とんでもない場所にたどり着いてさまざまな音楽が生まれた。きっとピンク・フロイドもそうしたバンドのひとつでルーツをたどればブルースへと行き着くだろう。
それにしてもシド・バレットが見ている世界は相当楽しそうだ。
Producer: Norman Smith
1967年