ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
Black Byrd,本作からプロデュースがSky High Productions(スカイ・ハイ・プロダクションズ)のLarry Mizell(ラリー・ミゼル)に代わり一気にサウンドがあか抜け、70年代のドナルド・バードを象徴する音世界に突入した。いわゆる典型的なテクニカルなフュージョンとは異なり、時おりみせるギターのカッティングやドラムのビートはむしろ同時代のファンクやソウルと同一線上に立っていることを感じさせる。
このアルバムの聞き所は何といってもA3の“Love’s So Far Away”だ。疾走感あふれるビートの上で、ジャズミュージシャンとしてのドナルド・バードの本領が発揮されている。最後の“Where Are We Going?”も、Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)の“What’s Goin On”のようなグルーヴで気持ちいい。
“Black Byrd”はBlue Note(ブルーノート)史上最大のヒットとなったが、既成概念を超えて自由に制作されたこの作品は、既成概念にとらわれた当時のジャズ評論家には厳しい批評を受けたという。
タイトルのBlack Byrdは、ドナルド・バードのハワード大学時代の教え子たちが結成した“Blackbyrds(ブラックバーズ)”というバンド名にも使われた。
Producer: Larry Mizell
1973年