Carla Thomas / COMFORT ME
「メンフィス・ソウルの女王」は七光?
Comfort Me,
Carla Thomas, 1966
ソウル・ミュージックの聖地のひとつ、地元メンフィスのラジオ局がスポンサーになっていた高校生のグループに、10歳の時から参加していたというカーラ・トーマス。父はいつもファンク汁が全身から放出しているあのルーファス・トーマス。彼がこのラジオ局のDJだったことから、ゴリ押しで入ったという噂もある。Stax Records(スタックス)との契約も、父が娘のテープを持ち込み決まった。デビュー作の“Cause I Love You”もルーファスとのデュエットであり、この作品がAtlantic Records(アトランティック)のジェリー・ウェクスラーの目に止まった。誰もが知っている代表作は、オーティス・レディングとのデュエット・アルバム“King & Queen”だろう。ソウル史における彼女のポジションは、常に誰かと一緒に語られることが多かった。そのため少し軽く扱われている気がするが、カーラ・トーマスはソロでも十分ソウル史に残る作品を何枚も残している。何といっても彼女は地元の人々から「メンフィス・ソウルの女王」という称号も得ている。
本作『コンフォート・ミー』は、スタックスの第一次全盛期に制作されており、バックを務めるのは、Booker T. & the MG’s、Mar-Keysのホーンセクション。完璧なメンフィス・ソウルのマナーの上で、若い彼女の歌声が爽やかに活かされている。サザン・ソウルといえば、オーティス・レディングのように男が熱く苦悩を歌うというイメージもあるが、若い女性の日常を歌うサザン・ソウルがあっても当然いいだろう。
カーラ・トーマスの成功は、決して誰かの威光にすがってもたらされたものではない。そんな人なら逆にいくらでもいる。彼女はソウル・シンガーとして恵まれた環境を活かして、旬の大物たちを惹き込む魅力があったからこそ成功したのだろう。
Producer: Jim Stewart
1966年