ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
I Love You More 全体を流れる雰囲気は、黄金期のバリー・ホワイトそのもの。豪華なストリングスで彩られた美しいメロディーに、曲のテンポに関わらず決めまくるタイトなリズム。大きな違いは、バリー・ホワイトのような男性ホルモン大放出なバリトンヴォイスではなく、時折マーヴィン・ゲイのようにも聞こえるトム・ブロックの繊細な声。非常に甘いので、よりメロウさが増幅している。
オススメはフィリーの風が香るA1 “Have a Nice Weekend Baby”や、70年代中期屈指のメロウの名作A3 “There’s Nothing in This World That Can Stop Me From Loving You”。“There’s Nothing…”はジェイZが“Girls, Girls, Girls”で使っていたので、聞いたことのある人も多いはず。
トム・ブロックの知名度はあまりにも低いが、その実力は折り紙付きで作品のクオリティも文句のつけようがない。ところがトム・ブロックのオリジナル・アルバムはこの“I Love You More And More”しかないので、70年代メロウが好きなら聞く以外の選択肢はない。
Producer: Barry White, Tom Brock
1974年