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ソウル&ファンク大辞典

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Maximum Joy / STATION M.X.J.Y.

フリーキー・ファンクの継承者

マキシマム・ジョイ Station M.X.J.Y.,
Maximum Joy, 1982
マキシマム・ジョイの中心メンバーTony Wrafter(トニー・ラフター)によると、影響を受けたのは「ジャズ、レゲエ、ファンク、パンク、ソウル、ヒップホップ(ラスト・ポエッツ、アフリカ・バンバータ、シュガーヒル・ギャング)、アンビエント」だと答えているが、このアルバム“Station M.X.J.Y.”を聞けばそれは納得。リリースがY Recordsということを併せて考えれば、脳神経直撃系ファンクであることも想像できる。

一番前面に出ているのはフリーキーでファンキーなフリージャズ系の音。70年代後期のOrnette Coleman(オーネット・コールマン)のテイストに近い。ただし、ジャズのエリートによるものではなく、パンク育ちのミュージシャンによる一刀彫りに近い荒々しいもの(これはエリートには絶対出せない音)。

次に感じるのは、プロデューサーであるエイドリアン・シャーウッドの影響もあり、ダブ的なサウンド処理。このダブのミックスの具合がこの時代の英国のセンスを象徴しており、レコードとしての質も上げている。ヒップホップ的な感覚は、生音を使っていた最初期のアフリカ・バンバータと感覚的によく似ている。

ギターのJohn Waddington(ジョン・ワディントン)が、The Pop Group(ポップ・グループ)出身ということもあり、彼らとも共通点が多いが、マキシマム・ジョイの方がよりダンサブル。

このアルバムには収録されていないが、翌年にはDennis Bovel(デニス・ボーヴェル)と組んでTimmy Thomas(ティミー・トーマス)のソウルの名曲“Why Can’t We Live Together”のカバーもリリースしている。ちなみにこの作品では、後にU2、マドンナ、マッシヴ・アタック、ビョーク等のプロデュースで大成功したNellee Hooper(ネリー・フーパー)が新メンバーとして参加している。

この手のフリーキーなファンクは聞きたくても、ほとんど継承者がいないので、Y Records系のアーティストは本当に貴重な存在である。

Producer: Adrian Sherwood, Dave Hunt, Maximum Joy, Peter Woodiscroft
1982年



Do It Today - Maximum Joy
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