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ソウル&ファンク大辞典

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Last Poets / DELIGHTS OF THE GARDEN

ヒップホップ誕生前夜のグルーヴとライムの激突

ラストポエッツ Delights of the Garden,
Last Poets, 1977
Watts Prophets(ワッツ・プロフェッツ)とともに元祖ラップともいわれるLast Poets(ラスト・ポエッツ)が、アレサ・フランクリンを始め数々の名盤のグルーヴを支えてきたドラマーBernard Purdie(バーナード・パーディ)を迎えて制作された“Delight of the Garden”。アルバムジャケットにも大きくThe Last Poets with Bernard Purdieと表記されている。これまでのラスト・ポエッツは、音楽というより、ハードなポエトリー・リーディングにパーカッションを加えたようなスタイルをとっていたので、彼らにしては初めてともいえる「音楽」に挑戦した作品だ。

とはいっても迎えているのがドラマーなので、サウンドの中心は当然リズム、しかも最高のグルーヴ。バーナード・パーディのドラムとメンバーのパーカッション、そして申し訳程度に入ったベースとギター(このベースとギターが意外にいい味を出している)だけのシンプルな構成。ラスト・ポエッツの場合、ヴォーカル(ラップ?)もリズム楽器の一部みたいなものなので、このアルバムは爆音でリズムに体を任せるのが正しい聞き方だろう。

単なる生ドラム+ラップではなく、本物のグルーヴを持つもの同士なので、時代を超えた普遍性を感じる。

オススメは何といってもA1 “It’s a Trip”。ラスト・ポエッツ屈指の名曲であり、レアグルーヴの定番。3年後に共演することになるThe Pop Group(ポップ・グループ)にも共通するファンクがすでにここにある。

このようにラスト・ポエッツは、ヒップホップだけではなく、英国のポスト・パンクのアーティストにも強い影響を与えた。音楽が新たな次元に入るときに、必ず必要となるのが、彼らのような毒性の強いアウトサイダーの存在だ。

Producer: Alan Douglas, Last Poets
1977年



It’s a Trip - Last Poets
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