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ゴスペルというと日本人には実感がわきにくく、興味があっても取っ付きにくいと思うかもしれないが、アレサ・フランクリンのこの作品に関しては、その心配はない。『アメイジング・グレイス』のような有名曲やキャロル・キングのカバー等もあり、アレサのソウルが好きな人なら、きっと気にいるだろう。また、ゴスペルならではの観客とのやりとりも手に取るように感じられる。この雰囲気は、ゴスペルではないが、サム・クックのハーレム・スクエア・クラブのライヴと同質のものを感じる。単なる娯楽以外にも音楽の存在価値があることを体感できる。
バックを務めるのは、Chuck Rainey(チャック・レイニー、ベース)、Cornell Dupree(コーネル・デュプリー、ギター)、Bernard Purdie(バーナード・パーディ)等に加えて、ゴスペル界の大物James Cleveland(ジェームス・クリーヴランド、ピアノ、ヴォーカル)と彼が率いるSouthern California Community Choir(南カリフォルニア・コミュニティ・クワイヤ)と、アレサ流のゴスペルを聞くにはこれ以上ない面々。
このアルバムの影の功労者は観客。彼らの反応の良さが、最初から最後まで教会にいるような臨場感を味あわせてくれる。ソウル史上屈指のライヴアルバム。ミック・ジャガー等の大物の姿も会場にみえる本作の映画版ともいえる『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』も超必見。
Producer: Jerry Wexler, Arif Mardin, Aretha Franklin
1972年