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前作“Press Color”では、ニューヨークのゲイ・ディスコ系のサウンドにチャレンジしていたリジー・メルシエ・デクルー。本作『マンボ・ナッソー』では、全くの別人格のような音を聴かせてくれる。場所をバハマの首都ナッソーに変え、レコーディングは、グレイス・ジョーンズ、トーキング・ヘッズ、トム・トム・クラブ等も訪れたコンパス・ポイント・スタジオ。サウンドは彼らと共通するようなアフロやダブ的な音に変貌。クール&ザ・ギャングの『ファンキー・スタッフ』のカバーは、ほぼオリジナルの形跡がなく、アフロフューチャリズムにも通じる呪術的なアフロファンクにも聞こえる。
同時代の英国のザ・ポップ・グループやリップ・リグ&ザ・パニック、マキシマム・ジョイ等とも感覚は共通するが、リジー・メルシエ・デクルーのこのアルバムの方が音がかなりゴージャス。これは一流のスタジオで一流のスタッフと仕事ができたことが大きな要因だろう。
最先端の感覚を売りにするアーティストは、リジー・メルシエ・デクルー以外にもたくさんいるが、これほど変幻自在にスタイルを変えながら時代の音をアウトプットできる人は、他に見当たらない。
Producer: Michel Esteban
1981年