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ソウル&ファンク大辞典

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Laura Nyro / GONNA TAKE A MIRACLE

ブルーアイドソウルの女王のルーツ

ローラニーロ Gonna Take a Miracle,
Laura Nyro, 1971
作曲家としても優れた才能を持つLaura Nyro(ローラ・ニーロ)が、自らの才能をフルには使わずにルーツを再確認するかのように、ルーツを再確認するかのように、すべてR&Bの名曲カバーで構成したこの“Gonna Take a Miracle”。プロデュースはKenny Gamble(ケニー・ギャンブル)とLeon Huff(レオン・ハフ)。バックヴォーカルはPatti Labelle(パティ・ラベル)率いるLabelle(ラベル)。そして録音はもちろんシグマ・サウンド・スタジオ!

フィリーソウルのオールスターを使っているが、サウンドはローラ・ニーロとラベルのヴォーカルワークが中心で(このラベルのサポートが素晴らしい!)、バックの演奏は必要最小限に抑えられている。いわゆる「フィリーソウル」ではなく、多くの曲は女性によるソウルフルなドゥーワップといった様相だ。それでもローラ・ニーロにしか出せない個性は十分に感じる。

全曲素晴らしいが、やはりローラ・ニーロらしい優しい曲に魅かれる。一曲目は女性ヴォーカルグループShirelles(シレルズ)1958年のデビュー曲“I Met Him on a Sunday”のカバー。10年以上前のオリジナルよりも素朴に、そして情感たっぷりに歌い上げている。A2の“The Bells”では、いきなりクライマックスを迎える。この曲はMarvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)プロデュースでOriginals(オリジナルズ)が1970年にリリースしたバラードの名曲だが、ニーロ版はバックコーラスとの掛け合いが素晴らしく、彼女が作曲した作品のように聞こえる。そしてラストの“It’s Gonna Take a Miracle”。この曲は、Royalettes(ロイヤレッツ)1965年のヒット曲で、オリジナル版のドラマチックな展開もいいが、ニーロ版では、原曲よりも抑えめでしっとりと聞かせてくれる。

まだ人種差別が激しかった時代に、白人アーティストが、真摯にブラックミュージックと向き合い、旬のアーティストと共演しながらも、流行にも囚われず制作され、純粋に音楽の神様に捧げられたような貴重なアルバム。

Producer: Kenny Gamble, Leon Huff
1971年



It’s Gonna Take a Miracle - Laura Nyro
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