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ニューヨークに生まれ、大学も地元のマンハッタン音楽学校で理論を学んだラリー・ウィリスは、元々、クラシックやオペラの作曲に進みたかったようだが、時代的にアフリカ系米国人の彼にとって、その道で生きることは難しかった。しかし、当時の拓かれたジャズ界は何でも受け入れてくれた。
A1 “Out on the Coast”は、このアルバムでは一番ハードボイルドなジャズファンクで、同時期のマイルス・デイビスやハービー・ハンコック等と共通したダンスフロア向きの曲。特徴的なのは、ベースをエレキとウッドの2本を使っている点。これが功を奏して、むしろ現代的にも聞こえる。A2 “153rd Street Theme”は、ジャズ・クルセイダーズっぽいソウル・ジャズ的な心地良さ。A3のタイトル曲は、 “Out on the Coast”をより70年代的に洗練させたジャズ・ファンクで、ラリー・ウィリスのキーボードを堪能できる。
B面はカリブのリズムを取り入れたB1 “Bahamian Street Dance”、50年代と70年代スピリチュアルな世界を行き来するB2 “For a Friend”、そして映像が浮かぶようなラストの“Journey’s End”と非常に幅広い。
Producer: Sonny Lester
1974年