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この『ハイヤー・アンド・ハイヤー』をリリースする直前は、スーパースターとしての地位に陰りが見られた時期。その立て直しのためにプロデューサーとしてCarl Davis(カール・デイヴィス)を起用、これが功を奏し、彼は再びスターの座に返り咲き、今となってはこの作品が彼の偉大なる経歴を代表する一枚となった。
カール・デイヴィスは、このアルバムで当時所属していたニューヨークのBrunswick(ブランズウィック)のミュージシャンではなく、ジャッキー・ウィルソンの故郷であるデトロイトのFunk Brothers(ファンク・ブラザース)と、故郷シカゴのミュージシャンを起用し、ベテランシンガーによるノーザンビートを生み出した。ファンク・ブラザーズはモータウン所属の売れっ子スタジオ・ミュージシャンだったが、ジャッキー・ウィルソンやカール・デイヴィスを尊敬していたため、このコラボが実現した。
オススメはなんといっても彼の代表曲であり、ノーザンソウルを代表する一曲でもあるA1 “(Your Love Keeps Lifting Me) Higher and Higher”。ファンク・ブラザーズはこの曲の録音のために、週末を利用して、わざわざ機材を車に積み、デトロイトからシカゴまでやってきたらしい。ジャッキー・ウィルソンのパートはニューヨークで録音されている。
この作品は大スターであるジャッキー・ウィルソンの復活をかけて、カール・デイヴィスが手取り足取り作品意図を伝えながら制作したといわれている。つまりカール・デイヴィスの代表作でもあるのだ。
Producer: Carl Davis
1967年