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ソウル&ファンク大辞典

ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。

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Darondo / LET MY PEOPLE GO

聞けばわかる。似非ファンクの真髄

ダロンド Let My People Go,
Darondo
真っ白なロールス・ロイスに、“Darondo”と刻んだナンバープレートをつけて、サンフランシスコの街を流していたという伝説の男、ダロンド。ジェームス・ブラウンの前座を務めたこともあるらしく、相当な大物ミュージシャンかと思いきや、1970年代に3枚のシングル盤を残しただけで、音楽的にはほぼ無名の存在だった。

しかし、その3枚があまりにも強烈だった。後に価格が高騰し、マニアにとっては憧れの存在に変貌したのだ。

最も大きな影響を与えたのは、ジャイルズ・ピーターソンが取り上げたことで再注目された“Didn’t I”。おそらく見え張りで、決して上手くはない歌声だが、ダロンドの人生が詰まったような渋いスローソウル。この味は、大物だと逆に出ないだろう。ちなみにこのオリジナルのシングル盤のアーティスト表記は“Dorando”になっており、この辺も胡散臭い人生が運命付けられているようでカッコいい。

ファンキーな“Legs”も最高! 初期オハイオ・プレイヤーズとJBsをミックスして、安いスパイスを大量にふりかけて臭みを消したようなこの曲は、ファンクの原点回帰のような素晴らしさ。

その他にもメロウな“Sure Know How to Love Me”、アル・グリーンが粗野になったような“I Want Your Love So Bad”、安っぽいスピリチュアル・ジャズ的な“Listen to My Song”、ソウルへのリスペクトが感じられる“True”等、どの曲も文句なしのソウル&ファンク。

サウンドもこうした歴史に埋もれた人にありがちな、ファンクだけとか、バラードだけの一点突破型の音ではなく、非常にバランスもとれ、どれもアーティストとしての奥が高い。多分、音楽的な趣味がすごく良いのではないだろうか。

一流アーティストが手出しできない「ファンクの奈落」に、白いロールス・ロイスでノーブレーキで突っ込んで行った稀有な作品群。



Didn't I - Darondo
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