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1曲目が“Yes, I’m Ready”の大人ヴァージョンで始まり、意表を突かれるが、このカバーが素晴らしくいい。原曲の少女っぽさは消え、成長した女性の歌に変化している。録音はフィリーソウルのメッカ、シグマ・サウンド・スタジオ。浮遊感漂うVince Montana Jr.(ヴィンス・モンタナJr.)のアレンジが冴えまくっており、個人的には原曲よりもいいと思う。Leon Huff(レオン・ハフ)、Norman Harris(ノーマン・ハリス)、Ronnie Baker(ロニー・ベイカー)、Earl Young(アール・ヤング)等の、フィラデルフィアの名プレーヤーたちもアルバムに参加している。
ドリーミーな初期のフィリーソウルと、アルバム全体に漂う生ぬるいメロウ感のミックス具合がやけに気持ちいい。ナット・キング・コールで有名な“When I Fall in Love”等の懐メロ的な曲も入っているが、こうした曲とバーバラ・メイソンの自作の曲が非常に相性がいいのだ。オススメはA1 “Yes, I’m Ready”、B2 “Who Will You Hurt Next”、B4 “Out of This World”。
B3 “You Can Be With the One You Don’t Love”とB5 “Give Me Your Love”だけは、カーティス・メイフィールドがプロデュースし、シカゴのカートムのスタジオで録音されている。カーティスがプロデュースしたタイトル曲がヒットしたため、このアルバム制作が決定したようだ。
Producer: Curtis Mayfield (B3, B5)
1972年