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ソウル&ファンク大辞典

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Slim Harpo

だれも真似できない唯一無二のゆる芸を築いたブルースマン

スリムハーポ I'm a King Bee,
Slim Harpo, 1957
独特のゆる〜いブルースで人気の高いSlim Harpo(スリム・ハーポ)。デビュー前はハーモニカ・スリムという名で活動していたが、同名のアーティストがすでにいることを知って、「逆さまならいいんじゃね?」という夫人でありマネージャーとしても常に活動を一緒にしていたラヴェルの提案で前後をひっくり返してスリム・ハーポにしたという。この辺の決め方も、音楽同様ゆるゆるだ。

しかし、その影響力や人気は絶大で、マニアに人気のスワンプ・ブルースの名門Excello Records(エクセロ)から数多くの名作をリリースしている。スリム・ハーポは特に英国を中心とする本場のブルースを聞きまくっていた次世代のロック・ミュージシャンたちから圧倒的な支持を得ている。デビュー作は1957年の“I Got Love If You Want It / I’m a King Bee”。ヒットこそしなかったが、B面の“I’m a King Bee”はローリングストーンズやキンクス等、数多くのアーティストにカバーされ、ロック・ファンにも広く知られる名作となっている。ブレイクのきっかけはブルースの枠を超えた1961年の“Rainin’ in My Heart”。R&Bチャート17位の大ヒットとなり、彼の独特のゆるいブルース芸を決定づける作品となった。

最大のヒット曲は1966年にR&Bチャート1位・ポップチャート16位に輝いた“Baby Scratch My Back”。意外にもスリム・ハーポのようにはゆるくないオーティス・レディングも“Scratch My Back”としてカバーしている。若いオーティス・レディングはローリング・ストーンズの『サティスファクション』もカバーしているので、ロック・ミュージシャンのようにスリム・ハーポを聞いていたのだろう。

ちなみにライブではいつもギターを持っていたが、レコーディングではほとんど彼自身が演奏することはなく、Guitar Gable(ギター・ゲイブル)等のプロを雇っていたという。ギターに対する考え方もゆるゆるのように思われるが、作品としてのクオリティを上げることを優先したプロデューサー的感覚も持ち合わせた人だったのかもしれない。



Baby Scratch My Back - Slim Harpo
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