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Weeというのはジャケット上の女性の愛称かと思ったが、実はユニット名。グループの中心はNorman Whiteside(ノーマン・ホワイトサイド)というとんでもなくガラの悪い男。犯罪歴は数知れず、人生のかなりの期間を塀の中で過ごし、Weeにも後から入って、乗っ取ったらしい。ジェームス・ブラウンとボビー・バードの逸話にも似た経歴だが、ノーマン・ホワイトサイドが目指す音はJBとは全く正反対の大人ソウル。このアルバムは無名のアーティストにも関わらず、全権はノーマン・ホワイトサイドに委ねられていたらしい(相当の圧力をかけたのかもしれないが)。
一聴したところロバータ・フラックの“I’m The One”的な甘いサウンドでもある。だが決定的な違いはやはり品格。超一流ミュージシャンが奏でるロバータ・フラックの上品な音に比べ、ウィーの音には、うらぶれた空気感が隅々にまで染み渡っている。しかしながら、“You Can Fly on My Aeroplane”の長所はまさしくココ。この音は超一流には出せるはずがないのだ。超極悪男が才能の全てを振り絞った超B級のドリーミーソウルをご堪能あれ。
Producer: Willam Muller, Norman Whiteside
1977年