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ソウル&ファンク大辞典

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Roberta Flack / QUIET FIRE

女性芸術家としての深遠さを感じる美曲集

ロバータ・フラック Quiet Fire,
Roberta Flack, 1971
知性と芸術性を併せ持つロバータ・フラックの内面が爆発している本作。一曲一曲のクオリティが高いものの多様性がありすぎるため、アルバムとしてのまとまりには少し欠けているが、ロバータ・フラックの芸術家としての才能を知るにはもってこいのアルバム。

本作ム“Quiet Fire”は、ビルボードのポップチャートで18位、R&Bチャート4位、ジャズチャート5位となっているように、収録曲は、自作曲以外に、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」やキャロル・キングの“Will You Still Love Me Tomorrow”のようなポップスから、Eugene McDaniels(ユージーン・マクダニエルズ)やVan McCoy(ヴァン・マッコイ)のカバー曲まで非常に幅が広い。そして、どの曲も深く、非常に美しく仕上がっている。

異質なのは一曲目のロバータ・フラックの隠れたファンクの名曲“Go Up Moses”。彼女にしては珍しく呪術的なビートを導入しており、他の曲とはあまりマッチしないものの、この曲のグルーヴが全編底流に流れているのも理解できる。“Go Up…”以外はほぼバラードだが、単に綺麗なメロディを聴かせるのではなく、ゴスペル的であり、大地のような女性としての懐の深さも感じさせてくれ、“Quiet Fire(静かなる炎)”というアルバムタイトルはまさにピッタリ。

バックメンバーを見ると、ジャズの一流どころが大量に参加しており、これだけの超一流ミュージシャンが集まれば、高品質な曲ができるのは、当たり前といえば当たり前でもあるが、ここに音楽的知性の高い演奏家としてではなく、精神性の高い芸術家としてのロバータ・フラックが参加しているところが、他の彼女の作品と大きく違う点だろう。

Producer: Joel Dorn
1971年



Go Up Moses - Roberta Flack
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