Twitter Facebook

ソウル&ファンク大辞典

ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。

A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K | L | M | N | O | P | Q | R | S | T | UVW | XYZ
ABC | DEF | GHI | JKL | MNO | PQR | STU | VWXYZ
A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K | L | M | N | O | P | Q | R | S | T | UVWXYZ

Roberta Flack / QUIET FIRE

芸術家そして信仰者としての深遠さを感じる美曲集

ロバータ・フラック Quiet Fire,
Roberta Flack,
1971
知性と芸術性に加えロバータ・フラックの精神性が静かに爆発している本作『クワイエット・ファイア』。一曲一曲のクオリティは非常に高く、多様性に溢れているため、ある意味、現代的な作品だといえる。この現代性が当時としては早すぎてアルバム評価に十分つながらなかったのかもしれない。それでも文化的状況の変わった現代人にとってはそんなことは問題ではなく、むしろロバータ・フラックの芸術家としての才能を知るにはもってこいのアルバムに仕上がっている。

本アルバム“Quiet Fire”は、ビルボードのポップチャートで18位、R&Bチャート4位、ジャズチャート5位となっているように、収録曲は、自作曲以外に、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」やキャロル・キングの“Will You Still Love Me Tomorrow”のようなポップスから、Eugene McDaniels(ユージーン・マクダニエルズ)やVan McCoy(ヴァン・マッコイ)のカバー曲まで非常に幅が広い。そして、どの曲も深く、非常に美しく仕上がっている。

異質なのは一曲目のロバータ・フラックの隠れたファンクの名曲“Go Up Moses”。彼女にしては珍しく呪術的なビートを導入しており、他の曲とはあまりマッチしないものの、この曲のグルーヴが全編底流に流れているのも理解できる。“Go Up…”以外はほぼバラードだが、単に綺麗なメロディを聴かせるのではなく、ゴスペル的であり、大地のような女性としての懐の深さも感じさせてくれ、“Quiet Fire(静かなる炎)”というアルバムタイトルはまさにピッタリ。

バックメンバーを見ると、ジャズの一流どころが大量に参加しており、これだけの超一流ミュージシャンが集まれば、高品質な曲ができるのは、当たり前といえば当たり前でもあるが、ここに音楽的知性の高い音楽家としてだけではなく、精神性の高い芸術家としてのロバータ・フラックが参加しているところが、他の彼女の作品と大きく違う点だろう。

Producer: Joel Dorn
1971年



Go Up Moses - Roberta Flack
関連アーティスト