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彼は一応ジャズ・ミュージシャンだが、このアルバム“Yusef Lateef's Detroit: Latitude 42° 30′ Longitude 83°”でのスタイルは、ジャズにこだわりはない。ジャズっぽいのはラストの“That Lucky Old Sun”ぐらいだ。そして、いつものようにサックス以外にもフルートやオーボエも演奏しており、楽器にもこだわりはない。
こだわっているのはアルバム・タイトル通り、ユセフ・ラティーフが育った街、デトロイトの音を紡ぎ出すこと。A1 “Bishop School”なんて、完全にデトロイトファンクの先駆けであり、まるでDennis Coffeyのようでもある。ちなみにデニス・コフィはこのアルバムの頃は20代後半だが、ユセフ・ラフィーフは50歳目前である。その彼が、地元の最先端の音に挑戦しているのだ。
彼は常に新しい音楽や楽器を吸収し、自らは若い世代に自分が得た知識を提供し続けてきた。だからと言って、ジャズ特有の気むずかしさはない。この作品は誰でも心や腰で感じやすい音になっている。
なぜか? それがデトロイトだからだ。
Producer: Joel Dorn
1969年