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一曲目の“Chitlins con Carne”は、ブルースギタリストのStevie Ray Vaughan(スティーヴィー・レイ・ヴォーン)が最高のカバーソングを残している。Pucho & the Latin Soul Brothers(プーチョ&ザ・ラテン・ソウル・ブラザーズ)の超ファンキーなラテン・カバーもある。ケニー・バレルのオリジナルは、じっくり聴いても踊っても楽しめる万能薬のようなジャズなのだ。
2曲目の“Mule”は一転して渋い。ケニー・バレルのブルージーなギターと、Stanley Turrentine(スタンリー・タレンタイン)のサックスのコントラストが面白い。スタンリー・タレンタインもブルースをルーツに持つミュージシャンなので、バレルの制作意図は容易に汲み取れるのだろう。
A面最後のタイトル曲やB1の“Wavy Gravy”も、ファンキーなグルーヴが心地いい。ここでは比較的ジャズ的なタッチが強く出ているが、キメのキャッチーなフレーズと、うねるようなリズムが21世紀の耳にも刺激的だ。
「ブルージーなジャズでチルアウト」というとダサダサだが、ブルースを感じるケニー・バレルの『ミッドナイト・ブルー』は、ソウルファンでも全編通して楽しめる大傑作だ。
Producer: Alfred Lion
1963年